災害ボランティアの美徳

Originally posted 2019-11-20 13:32:46.

災害ボランティアの美徳

災害といえば、一般的にネガティブなことに思えます。しかしイスラームおいては、ポジティブに捉えます。例えば、神の力の前に謙虚になることです。

クルアーン6章42節において、アッラーは次のように述べています。

われらはあなた以前の諸民族にも(使徒たちを)遣し、謙虚になるよう不幸と苦難で人びとを捕えました。

そして謙虚の気持ちは、そのまま感謝の気持ちになります。災害によってこれまであったものを無くすことで、日頃の感謝を思い出すことができます。

例えば、クルアーン27章73節でアッラーは次のように述べています。

「確かに、あなたの主(アッラー)は、人間に対して恩恵を与える方です。でも、かれらの多くは感謝もしていません」とあります。

そして感謝の気持ちを表現するためにできることは、もちろんサラートやズィクルなどがありますが、実際に災害ボランティアとして善行することが挙げられます。

例えば、先週の台風19号は忘れることができません。10月12日土曜日に日本各地に甚大な被害をもたらしました。

昨日のNHKニュースによると、

84人死亡 9人不明 348人けが

亡くなった人は、▽福島県で28人、▽宮城県で16人、▽神奈川県で14人、▽栃木県と群馬県でそれぞれ4人、▽長野県で3人、▽埼玉県、岩手県、茨城県でそれぞれ2人、▽静岡県と千葉県でそれぞれ1人です。

堤防の決壊は、59河川の90か所に上っています。台風19号の影響でこれまでに全国で3万3000棟以上の住宅が水につかり、およそ1700棟の住宅が全半壊や一部損壊の被害を受けました。土石流や崖崩れなどの土砂災害は、少なくとも19の都県で170件発生しているということです。千葉県は台風15号ですでに大きな被害を被っています。ただし台風15号も台風19号も千葉市や船橋市や市川市などギリギリ助かった場所もあります。コースがあと50キロずれていたら、大変なことになっていたかもしれません。アルハムドゥリッラー。アッラーに感謝です。

そして、感謝の気持ちとして、千葉イスラーム文化センターとしても微力ながら、災害ボランティア活動を予定しています。場所は千葉県富津市です。今週の日曜日2019年10月20日、朝9時から夕方まで、千葉県富津市の災害ボランティア活動に参加します。現在までのところ約30名のボランティアがCICCのチームとして参加予定です。活動内容は、瓦礫の撤去、家具の搬出、家の泥かきなど。もしみなさんの中で参加したい人がいれば、あとでぜひ声をかけてください。

ボランティアの美徳はいくつもあります。

・助け合いの精神

クルアーン5章2節でアッラーは述べています。

「敬虔さ(ビッル)と篤信(タクワー)のために助け合い、罪(イスム)と敵対行為(ウドゥワーン)のために助け合ってはいけません。」

・慈しみの精神

クルアーン21章107節でアッラーは述べています。

われらがあなた(ムハンマド)を遣わしたのは、すべての世界の慈悲としてだけです」

イスラームの人類をみる視点は、慈悲と思いやりに満ちています。イスラームは、アッラーによって規定された最後の宗教であり、この宗教に入るようにアッラーは全人類に命じました。アッラーはイスラームを明らかにし、それを最も慈悲深い人であるムハンマドに啓示したのです(SAWS)

・隣人に親切であること

クルアーン60章8節でアッラーは述べています。

「アッラーは、信教上のことであなた方と戦いを交えず、またあなた方を家から追放しなかった人たちに、親切で公正にすることは禁じません。実にアッラーは、公正な人をお好みになります」

イスラームはノンムスリムに対して親切で公正にすることの重要性を教えます。特に隣人に対してはノンムスリムであっても良くするように教えられているのです。

困難な時にこそ、ボランティア活動を通じて日本社会との繋がりを深めること、それがムスリムの連帯を強めると信じます。これが私たちのジハードであり、イスラームの道なのです。

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